こんにちは。公認会計士のKENです。
当ページでは、公認会計士試験合格者j1向けに監査法人初期の頃、やらないほうがいいこと・やるべきことについてお話しします。
長い試験勉強を経て、いきなり監査法人に入所し、すぐに繁忙期へ突入。右も左も分からないまま現場往査に駆り出された方も多いかと。
しかも、現場によっては入社してすぐであろうとなかろうと、会社の経理部から「先生」なんて呼ばれたりして(ベンチャーではよくありますね。)いっぱしの専門家として扱われます。
特に1年目の社会経験がないときに、いきなり「先生」なんて呼ばれると、
いやいや、まだ入社したばかりだし・・・
と思われる方も多いかと思います。
J1がやってはいけないこと!
会計士試験の次に今度は、TOEICの勉強
大手の監査法人の新人研修には、TOEIC試験があります。
大手監査法人は監査調書のマニュアル等を英語で作成する流れがあり、オーディットグローバルの品質を確保しようと、
英語でのコミュニケーションを社員に少しずつですが、要求しています。
そして、英語力を高める基礎として、スタッフにTOEICの勉強を推奨します。
TOEICはスコアが点数で990点満点の点数で表示されるため、学習目標として定めやすいです。
ただ、海外駐在を目指したり、他国の会計士として仕事をするのであれば、TOEICのテスト対策をするより、
IFRSの原文を読む方が、はるかに実践的ですし、英語の学習に加え、何より会計の学習になります。
以下、JICPAのウェブサイトの抜粋ですが、
IFRSの原文は、IASBのウェブサイトでユーザー登録することで閲覧できます。
こういったところで、リアルな英語に触れると、英語力の上昇も加速します。
TOEICを全面的に否定するわけではありませんが、
私もTOEICの学習は、一通りしました。しかし、「会計英語力」向上の観点からいうと少し遠回りだったようにも感じます。
英語に慣れていないと、IASBのサイト最初は戸惑うかもしれません。
ユーザー登録し、ログインすると、以下のようなメニューバーが登場します。
英語アレルギーがある方は、もしかすると一瞬閉じたくなるかもしれませんね。笑
ただ、会計士試験・簿記の学習など以上に、英語はもがいた分だけ、力になります。
TOEICは結局のところ、対策はしやすく、短期で集中すればスコアは比較的あがります。(会計士試験に合格できるだけの集中力がある方であれば間違い無いです。)
是非、IFRSの知識をつけたい!という意思のある方は、当サイト少しずつ覗いてみてください。
どこまでいっても、クライアントビジネスの理解
監査実務は、さまざまなビジネスモデルが如何に財務諸表に落としこまれるか、見定める力がキーになります。
クライアントの経理には優秀な方も多く、時には解釈で割れて議論になります。
そんな時、クライアントのビジネスを理解していないと「この人と話していてもしょうがないな。」と思われてしまいます。
一方、ビジネスの理解に加え、法規制などまで少しずつ理解があると、とても頼りにされ、その結果、あなたの今後のキャリア(転職、独立してからの集客)
などに大きな影響を与えることもあります。
飲み会でJ2J3、マネージャーの悪口を(あまり)言わない
どうでもいいことですが、
監査法人の同期の飲み会のネタは、
- J2J3、マネージャーの悪口
- いつ監査法人を退職するか、
- 誰と誰が合コンをした
こういった内容がほとんどかと思います。
監査業務の最初の頃はストレスがたまりやすい定型的な業務も多く発生するため、
飲み会が愚痴っぽくなるのは、仕方ありませんが、
私はある時から、
この空間に居続けても、自分にとって良く無いな。
と思って飲み会参加頻度が下がりました。
その分の時間、2,3時間を読書したり(筋トレしたり)していました。
生産性の低いことに時間を費やすのは、やめましょうね。ある程度の付き合い程度で!
j1がやったほうがいいこと(私の体験談より)
ここからは、私の経験からj1時代からやった方がよいことをお伝えします。
Excel習得、先輩へのアピール
ご承知の通り、如何にエクセルを使いこなせるかは、j1が最初に仕事を請け負うにあたり重要な要素です。
もちろん、vlookup、xlookup、ピポットテーブル・・色々関数等、使いこなせることそれで仕事はもらえるのですが、それ以上に、
「私は仕事のために必要な知識を習得すること、惜しみなく努力できます!」
というアピールが重要です。
へ〜、この人入社したばっかなのに、もうvlookup使えるんだ、じゃあこれも任せてみようかな!ちょっと難しいけど、いい勉強になるし、成長してもらえるかもな!
先輩はこう思います。
そして、実は監査で使うエクセルの技術というのは、実はそこまで多くありません。
もし分からないければ、先輩に聞くのもとてもいいことです。快く教えてくれます。
先輩!エクセル何から勉強すればいいでしょうか!?
これだけでも十分なアピールです。笑
過去調書の咀嚼
ここまでするべきかはご自身の判断にお任せしますが、自分の担当する調書の前期調書だけでなく、できれば保管されているほぼ全ての監査調書に目を通すべきです。
私はこれをやらなかったことに少し後悔しています。何故なら、
「今は1年目だから・・」
という気持ちで、仕事に臨むのと、
「自分はもう一人前のプロだ」という意識で仕事に臨み「どの調書でも作成できる」というマインドで仕事に臨むのでは、仕事のパフォーマンス、会計士としての成長度合いに大きく開きがあります。
成功する会計士と伸び悩む会計士の違いはこういうところに出ます。
そして、過去調書の全てを一通りザッとでも確認し、自分の担当調書を作成するのと、
自分の担当の過去調書だけ見て、調書を作成するのでは、成果物の質も変わってきます。
よくいう、木を見て森を見ず、というのはこういうことです。
分量が多く全ての調書を確認することは無理でも、少しでも視座を高めて色々な調書を見てみてください。
「ビジョン志向」会計士に早いうちからなる
あなたは、監査法人でずっと働きたいですか?
それとも、監査法人から出て様々な世界で活躍したいですか?
どちらも素晴らしい選択ですが、
ただ、真の意味(建前でない)公認会計士資格の有用性を考えると、
監査法人で一定程度学び、自分の専門性、強み、志向に応じて、監査法人を飛び出して社会に価値を提供することです。
私は、会計士は監査法人を飛び出してこそ、人生が開けると、強く信じています。(会計士人生の幕開け)
・・では、あなたは今会計士として、今後どういう人生を送りたいか、決まっていますか?(ビジョンはありますか?)
ある人は立派だなと思います。少なくとも私にはありませんでした。
目の前の仕事を覚えることでいっぱいいっぱいですし、
そもそも目の前の仕事から学べることたくさんあるし、それでいいじゃん、とも思いますが、
会計士である自分が、最終的に将来、世の中にどんな付加価値を提供できるかは、監査法人で仕事しているだけでは、明確になってきません。
何故なら、監査法人では、あくまで「監査をするために」必要な知識、経験をキャッチアップすることになります。
世の中にある会計士の仕事には、「監査」より
もっと広い世界があります。
世の中にある公認会計士の仕事で、「監査」が占める割合って、2割もありませんよ?
では、
世の中に、公認会計士ができる仕事にはどんな仕事があるんだろう〜
この素朴な疑問に答えられる監査法人勤務の会計士がどれだけいるでしょうか。
中々いないのではないでしょうか。何故なら知る術があまりないからです。
あくまで、先輩、上司から聞きずてで少し聞くくらいでしょう。
なので、そんな状況下では、将来のビジョンなんて立てようがないんです。
だから、まず「会計士の市場」というものを知る努力をするべきです。
市場を知ることで、市場全体の中での「監査」の位置付けもわかり、今後携わっていく業務がクリアになることで、普段の監査業務の力のいれどころ、
また力の抜きどころが見えてきます。
※「市場」を知ることで、自分のやりたいことが少しずつ明確になり、
「監査の仕事から何を吸収できるか?」という思考にもなってきます。
ではどうやって市場を知るとよいでしょうか。とてもシンプルですが、
それは転職エージェントを利用することです。
転職エージェントは「やりたいこと探し発見機関」です。ただの、転職仲介斡旋会社として利用するにはもったいないです。
転職エージェントには、会計士が携わることのできる沢山の仕事が舞い込んできます。
実際にあなたの目で確かめて欲しいのですが「こんなことやっている会社あるの?」
というレアな会社に遭遇することもあります。
私はスタッフの早い段階から、転職エージェントに登録したことで、世の中にある「会計士業務」を沢山知ることができました。
ちなみに、私は月1回or2月に1回くらいのペースで、転職エージェントのカウンセラー面談を行っていた時期もありました。
それくらい市場に敏感になることが大切だと強く感じていました。
でないと、今後どうするか方針がたてようがないので。
利用すべき転職エージェントは、
「市場を知る」「ビジョンを明確にする」という意味では、まずは「どんな会社があるのか」を知る必要があります。
公認会計士向けに特化している唯一の転職エージェントが、マイナビ会計士であり、
ここは、圧倒的な求人数を保有しています。
(念のため下記の表も合わせてご参照ください。)
マイナビ会計士概要
下記、ウェブサイトに公表されているマイナビ会計士の概要です。
利用条件(必要資格) | 公認会計士 公認会計士試験合格者 USCPA のいずれか |
利用料金 | 全て無料 |
利用年代 | 20〜40代 |
公開求人数 | 700〜800件(全体の2割) |
非公開求人数 | 全体求人数の8割(無料登録後、確認できます。) |
対応地域 | 全国 |
対応サービス | 情報収集のサポート 求人の紹介 応募書類の添削 面接対策 入社後のフォロー 一部報酬交渉 |
紹介可能な事業所 | 監査法人 税理士法人 会計事務所 コンサルティングファーム(FAS、戦略、経営、総合) 事業会社(一部上場、二部上場、ベンチャー) 金融機関(銀行、証券会社、保険) |
ビジョン志向が、今後の人生を大きく左右する
色々記載させて頂きましたが、一番肝要なのがビジョン志向型会計士になることです。
監査法人勤務の会計士はみなさん、本当に目の前の仕事に忙殺されます。
是非、時間をとって、自分のビジョンを明確にしてください!