監査トレーニー制度説明、面接・採用のポイントと求人の探し方について解説!

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この記事では、近年つくられた監査トレーニー職制度について解説します。

監査トレーニー職については、詳しく解説している情報誌も少なく、有識者も多くありません。

この記事では、制度の説明や、面接・採用のポイント、求人の探し方についてお伝えしたいと思います!

なお近年では、大手監査法人を中心に、監査トレーニー職の倍率は非常に高い状況です。

制度を正しく理解するとともに、是非採用のポイントを理解してください!

目次

監査トレーニー制度とは?

監査トレーニー制度とは、公認会計士試験の受験生(主に短答式試験合格者)が、受験勉強と並行して、実務が行える制度として作られました。

ここ数年監査法人は、マネージャー以上、さらにはパートナーに人員が集中している逆ピラミッド型の人員構成になっています。

そして合格者数の減少も相俟って、

J1やJ2のいわゆる「スタッフ業務」を担当する人手が不足していますね。

AI、IT監査がどんどん導入されつつも監査法人(特にBIG4)の業務形態においては、スタッフ業務の作業は、まだまだ一定割合発生し、そしてその業務単価については、できる限り低賃金でまかないたい狙いがあります。

一方、監査アシスタントよりは、一定程度の会計の知識と、高いモチベーションをもって働いてくれるスタッフの需要が監査法人にあります。

(※監査アシスタント:会計士の補助として、会計士の指示を受けながら、業務に従事するアルバイト職員。多くが女性スタッフ。)

そこで設けられたのが「監査トレーニー制度」です。

「短答式試験合格者」という論文式試験合格よりも少し低いハードルでも仕事ができ、

かつ論文式試験合格前から先取りして実務要件を満たすことができる制度として、監査トレーニー制度が作られました。

一般的には、論文式試験合格後から実務要件を満たすべく、働き始めますから、早く要件を満たせますね。

※マイナビのプロモーションを含みます。

監査トレーニーになるためには?資格や採用の基準

監査トレーニーになるためには、資格(要件)が必要です。

資格

公認会計士試験短答式式試験合格者 もしくは、 USCPA科目合格者

上述しましたが、短答式試験合格者、もしくはUSCPAの科目合格者です。

USCPAも募集はしているものの、法人内の監査トレーニーの多くは短答式試験合格者です。

また実質的な採用の基準としては、①年齢と②学歴・職歴が関係します。

①年齢

監査法人の監査スタッフ(論文式試験合格者)についてもいえることですが、監査スタッフは、「若くて扱いやすい人」「育てがいがある人」がよい、という文化が根付いています。

ですので、年齢は30代前半くらいまでが上限といえます。

特に監査トレーニーは倍率が高いので、30代後半の採用はかなり難しくなってきます。

②学歴・職歴

ご存知のことかもしれませんが、公認会計士論文式試験合格者であれば、

「学歴」は採用においてほとんど考慮されません。

論文式試験合格でもって、その人の「必要な会計知識の基礎は満たされている」判断されているので、面接、書類選考において学歴はほとんど考慮されないといっていいでしょう。

※一部、職歴で、FASの経験者、連結決算経験者は多少優遇されることはあります。

ただ、監査トレーニーの場合、倍率がとても高いため、どうしてもフィルターをかける必要があります。

近年ではあまりに倍率が高いことから、法人側も他のフィルターを設けるために学歴フィルターを用いています。

そしてこの傾向はまだ続くだろう、知人マネージャー、パートナーも仰っています。

ですので、監査トレーニーの採用においては、学歴(また当然職歴も)考慮されるという認識を持っていてください!

監査トレーニーになることで得られるベネフィット(仕事内容他)

少し厳しい内容も上述しましたが、監査トレーニー職を狙っていくメリットは多くあります。

是非一度整理してみてください。

監査トレーニーの仕事内容

主に監査業務のうちの「スタッフ業務」を担当します。

「現金」「貸付金」「借入金」などの、キャッシュ・資金の動きが具体的にイメージしやすい勘定科目の監査手続、および監査調書の作成を担当することになります。

監査実務がどういうものか、自分なりのイメージ、臨場感をえることができますし、

「財務会計論」「監査論」の学習モチベーションが高まるとおっしゃる人が多くいらっしゃいます^^

  • 監査は監査チームで頻繁にコミュニケーションをとる
  • 監査長所の雛形、前期長所のコピペはダメ
  • 現預金は、銀行が残高証明書を発行しているから、突合が容易

監査基準集、文面、言葉だとイメージしづらい事柄が、随分実務イメージがわきます。

これは、論文式試験において、かなりのアドバンテージです。なぜなら、多くの受験生は、「監査実務」のイメージを持つことができず、点数に伸び悩むからです。

ご認識の通り、監査論のテキストはそこまで分厚くありません。

では、どうやって答練、本試験で点数を高めるのか?

テキストを何度も読み返しているだけでは点数に結びつきません。

テキストからだけだと中々想像しづらい実務を直接知ることで学習の進捗に大きく貢献させることができるといえます。

また、以下のようなメリットがあります。

予備校費用を法人の負担にできる

予備校費用については、法人負担になります。

お給料がもらえ、予備校費用も負担してもらい、監査実務も学べる・・本当にお得ですね。

無職期間をつくらないことができる(実務要件になる!)

前職があったり、新卒の方も、無職期間をつくらずに受験勉強ができます。

そして、論文式試験合格後に残った実務要件をみたすことが同時並行で行えます。キャリアに空白を作らずに済むのは、安心できますね。

そして、当然のことながら、合格後も法人内で働くことができます。(し、その後の転職も容易です。笑)

監査トレーニーのデメリット

監査トレーニーのデメリットについてです。

これだけメリットの監査トレーニー制度ですが、デメリットはあるのでしょうか?

それはやはり、倍率が高いことでしょう。

特にBIG4大手監査法人の倍率は10倍以上にもなります。

BIG4大手監査法人(中堅中小の10倍!)
  • 新日本有限責任監査法人(EY)
  • 有限責任監査法人トーマツ(デロイト)
  • 有限責任あずさ監査法人(KPMG)
  • PwCあらた有限責任監査法人

その意味では、中堅中小監査法人の応募も同時並行で、進めることをお勧めします。

中堅中小監査法人(大手の1/10の倍率!)

・太陽有限責任監査法人

・東陽監査法人

・仰星監査法人

・pwc京都監査法人 他

大手監査法人と中小監査法人で業務内容に違いが!?

これは、デメリットというわけではありませんが、特徴として知っておいてください。

BIG4では、毎年一定数の監査トレーニーを募集しており、

その作業内容も一定程度「マニュアル化」されている側面があります。

そのため、慣れていくことで(特に思考することなく)仕事をこなしてしまえる場合があります。

一方で、中小監査法人では、監査長所の込み入った内容など、多少本質的なところまで成果物の作成を要求されるので、

その分、作業に時間がかかり時には残業するケースもあります。

※残業の有無については、基本的には「0」という認識で問題ありません。法人側としても早く合格してほしいという気持ちでいるので、残業をさせるケースというのは本当にレアです!

コラム:勉強時間の確保は可能なのか?

最難関である短答式試験は突破しているものの、やはり論文式試験は、租税法の計算固めや理論科目のインプットなど勉強することは山ほどあります。

そんな中、トレーニーとして仕事をしながら、勉強時間を確保することは可能なのでしょうか?

結論としては、多くの方が、時間を捻出して試験合格していますが、

ただ、時間の作り出し方については「正社員の監査トレーニー」と「非常勤職員(アルバイト)の監査トレーニー」の場合で異なるということ、ご認識いただければと思います。

  • 正社員:週5日×7h
  • 非常勤:週2or3日×7h(5〜6hの場合もあり。)

おすすめは、圧倒的に非常勤として勤務することです。

非常勤職員の方が、勉強時間を確保しやすく合格率も高いのが現実です。(週5と週3では、勉強確保できる時間が違うのは明らかですね。)

スタンダードは、正社員として働くことですが、正直なところ、それは法人側の都合によるところが大きいです。

非常勤の場合、論文式試験合格後「法人の雰囲気と合わない」と言って、

簡単に退職できてしまうため、それを懸念してか、非常勤の募集を積極的には行っていません。

ただ、大手big4も含め、採用倍率の下がる中堅中小でも非常勤の募集は多く行なっています。

(ちなみに、中堅中小は、監査トレーニーではなく、「論文式試験合格後の公認会計士試験合格者」であっても非常勤で働いている職員は多くいらっしゃいます。)

ですので、勉強時間捻出のため、正社員だけでなく、非常勤として働く働き方も是非、検討してみて下さい。

以下では、求人の探し方を見ていきます。

監査トレーニーの求人の探し方!

監査トレーニー職の求人の探し方には二つの方法が考えられます。

  • 自分で応募
  • 転職エージェント経由で応募

転職エージェントを利用することを強くお勧めします。

法人によっては、求職者が直接法人に応募することができない法人もあります。

(転職エージェント経由でないと応募できない法人もあります。)

また、転職エージェントですと、面接対策、場合によっては報酬交渉を行ってくれます。

ただ、以下の点、注意してください。

ここだけの情報ですが、転職エージェント各社は非常勤募集の仲介にあまり積極的ではありません。

なぜなら、仲介料が少ないからです。

ですので、非常勤トレーニー求人案件を豊富に持っている転職エージェントが少ないです。

私は、一度探しだすと徹底的に探すタイプ笑なので、実際に非常勤の案件を探す際、ほとんど全ての会計士向け転職エージェントを登録し、案件を探し出しました。

その結果非常勤案件を多く仲介しているエージェントと、そうでないエージェントがあることわかりました。

会社名公認会計士向け求人案件数
(常勤)
報酬交渉カウンセラーの質非常勤の案件コメント
マイナビ会計士5/5
(4000件以上)
4.5/55/55/5圧倒的求人数!
Ms-japan3/5
(2000件程度)
5/53/53.5/5報酬交渉◎
ジャスネットキャリア4/5
(2500件程度)
3/54/54/5バランス型
エージェント
リクルートエージェント3/53/53/53/5会計士向け求人が少ない↓
ビズリーチ2/54/53/53/5非常勤案件少ない↓

バランスよく求人を取り揃えていて、またカウンセラーの質が高いのは、マイナビ会計士です。

悩み等をざっくばらんに話ながら、コミュニケーションをとることができ、とても安心して、就職・転職活動が行えます。

常勤(正社員)も非常勤もバランス良く取り揃えているのは、マイナビ会計士!

公式サイト:

※マイナビのプロモーションを含みます。

マイナビ会計士は、現在「公認会計士の転職特化型」の唯一の転職エージェントです。

公認会計士向け正社員(常勤)の求人にいたっては、4,000件超えと他社を凌ぐ圧倒的求人数を誇っており、

また非常勤の求人も豊富に取り揃えています。

報酬交渉の面を考えると、Ms-japanとの併用も好ましいですが、マイナビ会計士はまず登録必須といえます。

以下、公式サイトの情報です。

利用条件(必要資格)公認会計士
公認会計士試験論文式試験合格者
公認会計士試験短答式試験合格者
USCPA(科目合格者含む) のいずれか
利用料金全て無料
利用年代20〜50代
公開求人数700〜800件(全体の2割)
非公開求人数全体求人数の8割(無料登録後、確認できます。)
対応地域全国
対応サービス情報収集のサポート
求人の紹介
応募書類の添削
面接対策
入社後のフォロー
一部報酬交渉
紹介可能な事業所監査法人
税理士法人
会計事務所
コンサルティングファーム(FAS、戦略、経営、総合)
事業会社(一部上場、二部上場、ベンチャー)
金融機関(銀行、証券会社、保険)
公式サイト

監査トレーニーの選考の流れ

ここで、監査トレーニー制度の選考の流れについてみていきます。

  1. 書類選考
  2. 面接
  3. 内定通知

1.書類選考

書類選考では、履歴書・職務経歴書(新卒の方以外は)が必要とされます。

書類はweb上で応募することがほとんどです。(すぐに応募することが可能ですので、逆によく内容を吟味するようにしてください。)

職務経歴書については、書くべき内容がある程度決まっており、網羅しないといけない内容というのがあります。

そのあたりはぜひ転職エージェントを利用してフィードバックをもらうようにしてください。

※マイナビのプロモーションを含みます。

面接

面接は、1〜2回実施されることが多いですが、職歴があり、人柄がわかりやすく面接官とのコミュニケーションがスムーズな方は、

1回で終えられている方も多くいます。

特に面接官が着目する点は、その時点の能力の高さもそうですが、その人の伸び代、言い換えればポテンシャルの高さと言ってもいいかもしれません。

「会計」の事柄について聞かれるようなことはありませんし、難しいケース面接があったことも聞いたこともありませんが、

素直に法人の業務から業務内容を学ぶ意欲があり、その能力がありそうな方を採用しているようです。

内定

内定通知は、書類選考から通知まで期間2週間程度といっていいでしょう。

かなり早く進みます。(逆に面接後、中々連絡がこない場合は、こちらからエージェント経由で問い合わせる必要がありますが、お見送りになるケースが多いですね。、)

また、応募者の都合で早く働く必要のある人については、早く業務開始になる場合もあります。

監査トレーニーに関するFAQ

最後に、監査トレーニーに関するよくある質問、FAQについて確認していきます。

短答式試験合格後、すぐに働くことは可能ですか?

可能です。転職エージェント各社、また大手監査法人各社も監査トレーニーの募集を合格の段階で始めます。

12月短答合格なのですが、8月論文まで時間があり、かつ監査実務の様子を知りたいのですが、試験合格にはプラスでしょうか?

監査実務を知ることは、「財務会計論」「監査論」の試験勉強をする上で大きな強みになります。実務イメージがつくことは大きなアドバンテージになります。

とても倍率が高いとのことですが、中小監査法人は狙い目なのでしょうか。

中小監査法人は倍率が低く、採用の基準としてはとても狙い目です。また、合格後に大手に転職する人も一定割合いるので、そのルートを視野にいれておくのもいいでしょう。

残業についてはほとんどないと聞きますが・・・

残業はほとんどありませんし、法人側としても、早く受験生に合格して欲しいという希望があるので、勉強に専念するよう言われます。

その点不安がある方は、転職エージェントに各法人について確認しておくことをおすすめします。

監査トレーニーの面接では何か特別なことは聞かれますか?

新卒の方であれば、一般の面接、論文式試験合格後に行われる面接と同様の内容(志望理由や公認会計士を志した理由)

職歴のある方であれば、その職歴について深掘りされることが想定されます。

面接の対策についてはぜひ転職エージェントをうまく活用して自分の強み、弱み等を明確にしていきましょう。

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