みなさん、こんにちは!
いつも当サイトをご覧頂きありがとうございます^^ 公認会計士・税理士のけんです。
当記事では、監査法人のうち、big4以外の中堅・中小監査法人について少しお話させて頂きます。
big4監査法人については、様々なところで情報が多く出回っていますが、中堅・中小監査法人についてはネット上にも情報量が少ないため、当記事が就職もしくは転職のための一助となればと思います。
中堅中小監査法人→大手とやること変わりません、そして今後もっとコモディティ化されます
仕事は監査です。どこも一緒です。
「そんなこと分かってるわ!当たり前だろ!」
「じゃあ、大手と中小で違いはないのか?」
ですよね。
- 人材の流動性
- クライアントの会社規模
- 品質の相違
- 会社取引の複雑性・監査の難易度
- 会社ブランディング
- 監査以外の業務に携われるかどうか
人材の流動性
中堅中小監査法人は、大手と違い運営の方針として「社員に長くいてもらいたい」というところが多いですね。(あくまで傾向ですが)
大手は「シニアまでは育てるが、後は勝手にしてね。」です。
そこは大手と少し違います。(ただ、大手であっても中小であっても、どんどん辞めていくのは現状は変わらないですけどね。)
何でかって、単純にまず、合格者の大半は大手に行きます。
そして、「長く在籍できる代わりに」給与は、大手と比べて若干下がります。
それは組織の構造上仕方ないことです。
一方で、非常勤は時給8,000とか10,000とかもらってます!!
在籍期間が短くなればなるほど、単価は上がっていく構造です。
クライアントの会社規模
ここが一番大きな相違点と言えるかと思います。
私も短い期間ですが、中小の監査法人で仕事したことがありますが、
仕事をしていく上で大手と違いを感じます。
単純にマンパワーの必要量が異なり、そして分業度合いが異なります。
よく大手では、分業度合いが大きいから「中々全体を観れるようにならない」ということを言われますが、
別に「売上・収益認識」などの核となる監査調書は、チーム内であれば閲覧できるので、全体が全くわからないということではありませんが、
私は入所当初、最初にアサインされた総合商社の手続きで、「借入金・貸付金」の監査手続きだけで、エクセルが30〜40シートくらいありました。
確かに日々、自分の手続きでいっぱいいっぱいになり、全体を意識するなんて余裕はなかったです。
一方で中小では、監査計画の策定から、サンプリングの手法など、
「あ、おれ監査やってるんだなーー」と強く意識することができました^^
品質の相違
ここを気にする人も多いのかもしれません。
せっかくやるなら高品質のサービスができるようになりたいですからね。
ただ、「監査の品質」とはなんでしょう??
グローバルの手続きが必ずしも正しいでしょうか。模範になるんですかね?
後述します。
会社ブランディング
議論する意味がないので割愛します。
(ここにどうしても拘りたい人は中堅中小には行かないで下さい)
会社取引の複雑性・監査の難易度
大手企業は、取引上、SPCを巧みに挟んで、複雑に投資スキーム、金融スキームを設計し、お金を回したりします。
私が最初アサインされたクライアントはそんな総合商社でした。
取引が複雑だからといって、必ずしも監査リスクが高まるとは言えませんが、多くの場合は高まります。
(一つの取引の中に、何社も何人も関わればそりゃ、高まりますね。)
そんな複雑な取引を観たい!という会計士の人、いらっしゃいますよね。
そういう人は、大手を洗濯した方がいいと思います。
監査以外の業務に携われるかどうか
大手にいると、色々な業務ができるか、
これは運の要素もあります。
ある程度、監査の仕事でパフォーマンスを上げる必要がありますし、上に気に入られなければなりません。
ただ、監査法人でfas業務等々やりたい!といっても、やっぱり監査法人は監査法人です。
監査の仕事がメインにはなります。
少しだけ、例えばDDをやったからと言っても、専門性としては中々身につかないというところが私が思うところです。
DDをやりたい、と思うのであれば、fas機関に転職するべきです。
ただ、中小は行っている業務範囲が狭いのは事実ですので、それは誤認識を。
面接の時とかに聞いておくとよいことですね。
「監査以外にはどんな業務やってますか?」もしくは「今後どんな業容拡大をしていこう、とか考えていますか?」
とか。
「けん」はふと思う。
私は以下のように考えます。特に品質の相違について。
監査の基本はリスクアプローチですが、何が監査の品質として”正”なのか、それははっきり言って各社模索中の段階です。
現在のグローバル(big4)の品質が、必ずしもコストパフォーマンスに優れた手続かと言えば、そうかとも限らないですし、(それはそれは細かいです)
会社の規模など、会社を構成する様々な要素に応じて、手続の緩急をつける、どこかの中小法人のやり方がリスクアプローチの観点から間違ってるわけでもありません。
こんなこといったら、偉い人に怒られるかもしれませんが、ある程度「業種」とかに応じても、監査基準の設計し直すことも一つ手立てとしてはありなはずです。
ただ情報技術を如何に効果的に利用できるかは、今後の一つの「品質担保のキー」になってきますし、
そして今後、中堅中小で情報技術(AI)を利用するハードルが下がってきます。
品質確保の観点からは、十分質の高い業務が行えるようになってきます。
そうしますと、必ずしも大きな組織は必要なくなってきます。
現在は監査法人の設立は、5人以上の有資格者が必要ですが、
1人でも十分、質を確保した監査ができるようになるかもしれません。
そして、監査業務はコモディティ化されます。
あなたは会計士として何を実現したいですか?
「なんだそれっ」
身も蓋もないことかもしれませんが、結局はこんなことが大事になってくるような気がします。
例えば、それが「会計監査」の仕事で、自分の「やりたいこと」が実現できないのであるならば、
そもそもあまり法人選びに拘らず(資格登録までは在籍するにしても)
「スキル、経験を身に着ける場」と軽く割り切り、
早く次のキャリアを考えた方がいいかもしれませんね。
副業から自分の先々を考えるのでいいですし、資格取ったら転職、という形でもいいのかと。
資格取得後の会計士の転職は引くて数多ですね^^
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